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■5・ZORO

「1、2、3。1、2、3。そうそう、だいぶ様になってきたじゃねえか。今度は二人向かい合わせでやってみな」
甲板で始まった俄かダンス教室を横目で見ながら、ゾロは何杯目になるか分からないウィスキーを飲んでいた。
二人必死に足下を見てステップを踏む様はなかなかに微笑ましい。
「だいぶ上達したわね」
その二人を見つめるロビンも目を細めている。
「ロビンちゃんも一曲どう?」
サンジに誘われた彼女はやや目を見はり、少し恥じらうように口を開いた。
「私、踊った事がないの」
「そんならなおさら!」
サンジに手を引かれて、ロビンは戸惑いながらも腰を上げた。
さっきのナミの時と同じく、大きくゆったりとした動作で踊りだす。
真っ直ぐに伸びた姿勢に普段の軟派な態度はなりを潜め、凛々しい、と言う表現が当てはまるだろう。
サンジが上手いのはナミと踊った最初の数歩で見て取れた。ロビンは案外不器用らしく何度かたたらを踏んだがすぐに慣れ、サンジに身を任せ始める。どうやら、ダンスというものは男性側のレベルに大きく左右されるようだ。
「サンジ!俺もそのぐいーってのやりてぇ!」
大きくのけぞるポーズをとらせるサンジを見てルフィが声を上げた。どうやら格好良く見えたらしい。
「あー、そんならまずホールドからしっかりしねぇと」
ロビンに断りを入れて指導に当たり出す。
いつもなら女が最優先だろうが、今日はナミの誕生日だ。思いがけずルフィとペアになれたナミは先ほどからとてもいい顔をしている。
「背筋伸ばして、そう、左手は腰より下に下げるな。マナーだかんな」
サンジもそれを察してか女好きな態度はなりを潜め、教え方もだいぶ丁寧だ。
「いーか、ルフィ。
 踊ってる時は相手の女性を神が作りたもうた芸術だと思え。
 んで、お前はそれを飾る額縁だ。
 レディをいかに輝かせるか、美しく見せるか、それを常に考えろ」
サンジの講釈を聞いたルフィがさらりと言った。

「ナミはいっつも可愛いぞ?」

おいおい。自覚があるんだかねぇんだか、こんな奴に惚れてるナミも可哀想にな。見ろ、まぁた耳まで真っ赤だ。
サンジもいきなりのカウンターパンチに絶句していたが、ナミよりは早く我に返った。
「…そんなん当たり前だ、クソゴムが。なんたって麗しのナミさんだからな。オラ、もっと右手上げろ」


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