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■3


彼と出会ったのは1年前。夜が長くなり始めた秋の頃だった。
大きな不安とわずかな期待とを抱えてゾロが訪れたのは、ある種の指向を持つ者が集まるとされるバー。
ゾロは確かめようと思ったのだ。自分の中にある疑惑が、本当かどうなのかを。
そして、疑惑が確信に変わるのに、そう時間はかからなかった。
確信をもたらしたのは、黒ずくめのスーツを着こなした金髪の男。それがサンジだった。

「このお店、初めて?」
「…あぁ」
「俺、サンジっていうんだけど、あんたは?」
「…ゾロ、だ」
柔らかな雰囲気を纏って隣に腰かけた男との、会話らしい会話と言えばこれくらいだった。
一回りほども年の離れた男にゾロは見とれた。
「ゾロ?」
次に耳に落とし込まれたその声には強烈な毒が含まれていて、
それだけで致死量だった。
彼の声は今まで飲んだどんな強い酒よりもゾロを酔わせた。
同時に腿に触れてきた左手はひどくあつくて、
それだけでゾロを震わせた。

そして、ゾロは突如として明確になった己の願望に愕然とした。
体中の血が逆流して頬を真っ赤に染める。
こんな男に、
否、
この男に、いいようにされたいと。
出逢う前からそう思っていた。

「おみせ、出ようか、ゾロ」
わずかな接触で自分の性癖を自覚させられ、羞恥に震えるゾロの唇に指を這わせると、サンジはそれを見透かしたように笑みを深くした。



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