お前はきっと

どんな時も

笑いながら死んでいく



■ a prayer



 不思議なことに、この映像は俺の中ではとっくに想像でも予感でもなく、確信として息づいている。

 ……お前の「その時」を、俺は鮮やかに思い描けるよ。
 心の臓からだらだらと血を流しながら不敵に、
 膝をつき刀を取り落としても満ち足り、
 あるいは白い敷布の上で穏やかに。

 お前は絶対に笑う。

 なあ、そうだろう?







 ああ、知ってるよ、これが俺の願望だって事くらい。




 でも。
 お前は笑って死ね。
 命令だ。笑って死ね。

 俺が一度でも、
 たった一度でもお前が泣いたり悔やんだり、
 絶望にまみれた顔で死んでいくとこなんて、
 思い浮かべたらきっとそれは現実になる。

 だからお前は笑って死ね。俺もお前が笑って死ぬ顔しか考えないから。






 神なんて信じてない。だって神はいない。そんなことはとうの昔に知っている。
 でもこれは、こんな思いは、すでに願いで、祈りだ。

 知ってるか、ゾロ。
 これは祈りだ。

 祈りなんだよ、ゾロ。




 折々につけ、俺は思う。
 そして祈る。

 お前が笑って死ねるよう。



■ end.
2005/11/24





えぇと…暗っ。ゾロ誕と言えばゾロ誕。
死ととなりあわせな生き方してるヤツだからして、少しでも長く一緒にいたいと思う人にとっちゃたまらないひと。

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