お前はきっと
どんな時も
笑いながら死んでいく
不思議なことに、この映像は俺の中ではとっくに想像でも予感でもなく、確信として息づいている。
……お前の「その時」を、俺は鮮やかに思い描けるよ。
心の臓からだらだらと血を流しながら不敵に、
膝をつき刀を取り落としても満ち足り、
あるいは白い敷布の上で穏やかに。
お前は絶対に笑う。
なあ、そうだろう?
ああ、知ってるよ、これが俺の願望だって事くらい。
でも。
お前は笑って死ね。
命令だ。笑って死ね。
俺が一度でも、
たった一度でもお前が泣いたり悔やんだり、
絶望にまみれた顔で死んでいくとこなんて、
思い浮かべたらきっとそれは現実になる。
だからお前は笑って死ね。俺もお前が笑って死ぬ顔しか考えないから。
神なんて信じてない。だって神はいない。そんなことはとうの昔に知っている。
でもこれは、こんな思いは、すでに願いで、祈りだ。
知ってるか、ゾロ。
これは祈りだ。
祈りなんだよ、ゾロ。
折々につけ、俺は思う。
そして祈る。
お前が笑って死ねるよう。
■ end.
2005/11/24
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